首里の泡盛蔵を巡るパート2:瑞泉酒造
去る11月1日は本格焼酎&泡盛の日でしたが、みなさん沖縄旅行で「泡盛」を飲まれたことはありますか?
沖縄には、首里三箇と呼ばれる泡盛製造を許された地域がありました。
戦前には数百ともいわれる酒造所がありましたが、戦争で壊滅的となり工場移転や廃業を余儀なくさ
れています。しかし、今でも赤田町の識名酒造、かつては鳥堀町で創業し現在は末吉町(首里エリア)
にある瑞穂酒造、﨑山町の瑞泉酒造がその名残を残しています。
今日は、そんな3つの酒造所のひとつ、瑞泉酒造を紹介したいと思います。
GRGホテル那覇東町がご案内する泡盛蔵をお楽しみください!
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目次
1.沖縄のお酒「泡盛」とは?
2.泡盛作りが許されていた地域「首里三箇」とは?
3.瑞泉酒造の工場見学へ行こう!
4.瑞泉酒造おすすめのお酒
マップはコチラ
https://onl.tw/LW1vTcY
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1.沖縄のお酒「泡盛」とは?
泡盛とは、一部の銘柄を除き、タイ米を原料にしたお酒です。この製法は現在のタイにあた
るシャムから琉球に伝来したと言われ、琉球王府の管理下のもと焼酎職とよばれる職人に
よって作られていました。
泡盛のアルコール度数は一般的には30度前後。3年以上熟成させた「古酒」も味わいが変わ
り人気があります。
日本の税法上では焼酎と同じジャンルに区分されますが、「お米を原料に使用する」「麹菌
は黒麹菌を使う」「仕込みは一度だけ、全麹仕込み」「単式蒸留機で蒸留する」という泡盛
ならではの製造工程があります。
2.泡盛作りが許されていた地域「首里三箇」とは?
歴史ある泡盛ですが、前述したように琉球王国時代の泡盛づくりは王府の命をうけ「首里三箇」
と呼ばれた崎山、赤田、鳥堀の三つの村に限られていました。当時の首里三箇には30から40も
の蔵元があったといわれています。
首里で泡盛がつくられていたのは王府の近くで管理がしやすかったことと、お酒作りに欠か
せない湧水が豊富だったという理由から。
厳しい管理下での泡盛製造も琉球王国から沖縄県となり、その管理が解かれると民間に広まり、
沖縄県民の身近なお酒となりました。
今では、赤田町の識名酒造、かつては鳥堀町で創業し現在は末吉町(首里エリア)にある瑞穂酒造、
﨑山町の瑞泉酒造が営業しています。
3.瑞泉酒造の工場見学へ行こう!
今回紹介するのは首里三箇の1つである崎山町に創業した「瑞泉酒造」さん。
首里城に観光に行かれる方は是非合わせて尋ねてみていただきたい
首里城から一番近い琉球泡盛酒造です。
酒造名の「瑞泉」は首里城第二の門「瑞泉門」に向かう手前に湧出する泉、
「龍樋(りゅうひ)」の水が「立派な、めでたい」という意味をもつことから
あやかって名付けられたんだそうです。
観光のお客様に人気なのが瑞泉酒造の工場見学!
毎日約20名〜40名以上の方が参加される人気のスポットです。
私たちも泡盛をもっと知りたいと、瑞泉酒造さんの工場見学に参加してきました!
見学は大まかにこのような流れです。
<工場見学の流れ>
1.DVD鑑賞(泡盛/瑞泉酒造を知る)
2.工場を見学
3.試飲
4.お買い物
泡盛について学び、実際に工場を見て試飲までできる…なんて贅沢な!
それでは行ってみましょう。
まず入り口の消毒アルコールを手にシュッ。
…その手の匂いを嗅いでいただきたいのですが、
なんとこれが「泡盛」のいい香り。
消毒用として高い度数の泡盛を使っているんだそうです。
こういう小さな発見がなんだかワクワクを駆り立てますよね。
そして入り口を開けるとずらっと並ぶ瑞泉さんの商品と、
たくさん掲示されてるサイン。
右手奥のガラスからは大きな甕がたくさん並んでいる様子が見ることができます。
なかなか見る機会のない光景にうっとり眺めてしまいます。
受付を行い、まずはDVD鑑賞です。
DVDでは琉球泡盛の特徴や、瑞泉酒造の歴史、
戦前の黒麹菌を使用した「御酒(うさき)」という商品の開発について
知ることができ、DVDが終わると実際に泡盛を作る工程ごとに工場の設備をご紹介いただけます。
少し話は逸れますが、このDVD鑑賞のお部屋に案内していただく通路の途中から部屋まで、泡盛の香
りがとってもするんです!その匂いは「この匂いだけで酔っちゃいそう」という方もいるほどなんだ
とか。泡盛好きとしてはたまらない香りでした。
さて話は見学に戻りまして、これが泡盛作りに使われるタイ米と黒麹菌です。
なぜ日本で古くから酒造りにつかわれている黄麹菌ではなく、
黒麹菌を沖縄では使うようになったかというと、
沖縄の温暖で多湿な気候風土に合っていたからなんだそうです。
菌が繁殖しやすい沖縄の高温多湿な気候は、酸度の弱いもろみだと腐ってしまう危険性がありますが、
黒麹菌でつくるもろみは他の麹菌に比べ酸度が高く、沖縄の気候での酒造りに適していたそうです。
工程の1つ目は洗米・浸漬させたお米を蒸すこと。
そしてお米に黒麹菌を散布し、繁殖をさせます。
ここで出来上がった麹に水と酵母を加え「もろみ」をつくり、
寝かせることでアルコールになっていくんだそうです。
下の写真で網の下をよくみていただくと、長いタンクがあるのがわかるでしょうか。
このタンクの高さが約3m。たっぷりのもろみがここでアルコールに変わっていくんですね。
その後、もろみをこの「単式蒸留器」にいれ蒸留することで
先程の工程では18度ほどだったアルコールが約53度まで凝縮されます。
こうして出来上がった泡盛を甕やタンクに貯蔵して完成です!
実際に拝見させていただくと、とってもシンプルな工程で驚きました。
泡盛はシンプルだからこそひとつひとつの工程で酒造ごとの特徴が楽しめるお酒なんですね。
泡盛作りについて学んだ後は、楽しみにしておりました「試飲」!
試飲コーナーにはこのように瑞泉の泡盛がずらっと並んでいます。
今回こちらの4本を飲み比べさせていただきました。
最初の1杯目は「3年古酒 瑞泉」。
のどごしがサラッとしていて飲みやすく、ウチナーンチュには愛着のある味です。
この味を忘れないうちに2杯目「瑞泉King crown 10年古酒」。
こちらは古酒ならではのまろやかさ!だけどサラリと飲みやすい。
同じ酒造の泡盛でもこんなに違いが楽しめるんだと驚いていると、
3杯目に初挑戦の「瑞泉 鳳凰 古酒」が。
先程の2本がアルコール度数30度ですが、鳳凰は43度。
口に入れるとコクと重みある味わいが口に広がります。
これは特別な日にゆっくり飲みたい泡盛です。
そして最後に瑞泉酒造人気シリーズ「おもろ 10年」。
この「おもろ 10年」は他の3本と違い甕貯蔵。
香りが華やかで古酒ならではのまろやかさをたのしめました。
泡盛を飲む機会はあっても、こうやって飲み比べをする機会はなかなかないので、
こんなにも1つ1つの個性があるんだと発見ばかりの試飲会でした!
最後は試飲で気に入った商品と、もろみ酢をゲットして大満足。
ショップにはお土産にぴったりの蔵元限定商品も並んでいていましたよ!
泡盛について知って、味わえて、お土産も帰る、瑞泉酒造さんの工場見学おすすめです!
4.瑞泉酒造おすすめのお酒
古酒で有名な瑞泉酒造さんですが、幅広い方が泡盛を楽しめるようなスパークリングやリキュールな
ど種類豊富な商品が販売されています。
気になるものがあったら是非お試しください。
瑞泉『御酒-うさき-』
(30度/新酒/720ml)
沖縄戦の戦火によってすべて消失したと思われた黒麹菌が、東京大学に保存されていることが判明。
「戦前の泡盛の復活」のために尽力し、成功させた泡盛がこの「御酒」。
まろやかで香り豊かな味わいを、このお酒の歴史とともに味わってみてください。
YUKURU
(10度/360ml)
なんだか力の抜けた猫のデザインがかわいいYUKURUは、「プレーン」「ピーチ」「たんかん」の
3つのフレーバーで楽しめる女性にも飲みやすい泡盛。アルコール度数も10度と泡盛の中では低く、
ふわっとかるい口当たりで、泡盛を飲み慣れていない方にもおすすめです。
いかがでしたでしょうか?
実際に工場見学にいって泡盛を知るとまた泡盛の味わい方も変わってきますよね。
是非ご予約の上、足をお運びください!
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瑞泉酒造
住所:沖縄県那覇市首里崎山町1-35
電話:098-884-1968
HP:https://www.zuisen.co.jp/
営業時間:9:00〜17:00(最終受付16:30)
定休日:土・日曜・祝祭日
※飲み比べはご予約者様優先となっておりますので、
お電話やHPからお申し込みください。
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